夫婦関係が冷め切っているのに、離婚の話さえ持ち上がらないという夫婦もあります。
それぞれがそれぞれの道を歩んでいけば、現状よりは遥かに幸せになれるのに、と思ってしまうのに離婚の意思は出ません。
なぜ、それでも夫婦でいようとするのでしょうか。
何らかの打算があるのでしょうか。そこにはいったいどのような心理が働いているのでしょうか。
理由1:子供のために離婚しない
これは、親としては大切な考え方です。
子供が生まれたからには、少なくともその子供が成長して自活の道を求めるべき年齢に達するまでは、当然の義務です。
二人の男女が出会って、お互いの愛情をいつまでも強く保ち続けるために結婚という選択をする。
まさに、理想的な形の結婚への道のりです。でも、それが正当性を持つのは、二人の愛の結晶ともいうべき子供が生まれるまでです。
子供が生まれたからには、二人の愛情のほとんどは子供に注がれるべきです。
それは、やたら可愛がるということではなくて、自活する時期が来るまで、いろいろなことを教え、何事も自分で正しく判断できるような人間へと育っていくために必要な愛情です。
ですから、厳しくしつけるのも愛情です。
これが、夫婦に子供が授かった意味なのです。人間も、他の動物と同じように、生まれた子供を懸命に育てる本能を持っているのです(ただ、人間は本能の力は、いろんな点で動物には劣っていますが)。
もし、人間が神の創造によるものであれば、子供を育てるのは神の意思ということになります。
たまに、子供のことよりも、夫婦を最優先に考えている、というようなことを耳にすることもありますが、それは、本来的には、生物の道にも、神がいるとするなら、神の道にもそむくことです。
どれだけ考えても、自分たち夫婦が離婚して別々に住むほうが子供たちのためになるという判断で夫婦が一致して、なおかつ、子供にそのことを話したとき、子供もその考え方に賛同したときは、離婚に踏み切ってもいいのでしょう。
子供がある程度判断力ができるまでは、先延ばしにしましょう。離婚はいつでもできます。
離婚は以前よりは増えてきています。頭の中に離婚という文字が見えている夫婦は、離婚件数よりもさらに多い数字になるでしょう。
その、文字が見えている人々の離婚に踏み切らない最大の原因は子供のことでしょう。また、そうであってほしいと思います。
理由2:離婚したら生活が苦しくなるから
このことは、女性にとっては、致命的です。まして、子供も養育しなければならないことを考えると、よほどの状態でない限り、離婚に踏み切れません。
ここでも、子供が意思決定に深くかかわってきます。それは、しようがない事です。
でも、自分の気持ちが決まっているなら、自活できる道を探しましょう。何年かかっても構いません。
離婚することで、経済的に苦しくなるけど、一人で子供を育てていくための最低限の収入の見通しがつき、ある程度子供が自活できるまでは何とかやっていけるだろうという安心感が持てるようでしたら、離婚について一歩踏み出しましょう。
でも、そういう見通しが立たないなら、それは、我慢してください。お子さんも、そういうあなたの気持ちは何となく感じているでしょう。
自分のために、頑張ってくれているあなたの姿は一生忘れないであろうし、感謝と尊敬の気持ちはいつまでも消えないことでしょうから。
理由3:周囲の評判が気になって
これも、よくある理由の一つです。そして、正しい判断だと云えないでしょうか。
なぜなら、自分たち二人だけの問題では済まなくなってくることもあるからです。
結婚で出来上がった新たな人間関係、新しい親戚、二人の共通の友人などにひびが入ると同時に、近所や、会社での人間関係にも影響が出るでしょう。
子供がいるなら、前々項で述べたように、子供も、自分の周囲に影響が出ることに苦痛を感じるでしょう。
それらを、メモを取りながら一つ一つあげていってから、メモを目にすれば、離婚という頭の中の大きな文字が、急に小さくしぼんでしまうのを感じることでしょう。
もし、相手のほうが離婚に積極的になっているが、自分としては、何とか冷静な気持ちで離婚のことを、話し合いたいと思っているようなら、このやり方で、相手にメモ書きしたものを目の前においてやれば、あなた望むような話し合いも実現するでしょう。
理由4:離婚にまつわる手続きが面倒
私は経験がないので、実際どの程度かは実感がありませんが、実際に離婚を経験した人の話を聞くと、一様に、時間と労力がすごくかかるそうです。
ちょっと考えただけでも面倒な気がします。二人の所有物の分配。独身時代から自分が所有していたものなら揉めることはないのですが、結婚後購入したものとなるとその区別は複雑です。
夫は、自分が小遣いの中から工面して買ったものだと主張しても、妻が、その間夫の生活を支えていた自分の労力をお金に換算すれば、私にも幾分かの所有権はあるという主張をすることも可能です。
子供がいれば、その親権はどちらに属するのか。ローンが途中のマンションの所有権の問題。そういう風に考えていくと、ため息が出そうです。
よく考えてみれば、相手への愛情は冷えているし、相手も同様ではあるが、毎月給料は預けてくれるし、隠れて浮気を楽しんでいるようにも見えないし、楽しい夫婦生活を過ごしているとは決して言えないが、かといって、離婚できないなら死のうというほどでもないし、と思って、天秤にかけてみると、現状にも価値があるようで、離婚をとりあえず先延ばしにしている夫婦も少なからずあるようです。
理由5:相手のことを考えてしまうめ
相手の、いろいろな面が鼻に付くようになり、ささいなことでも、つい冷たい態度をとるようになっている二人は、いつ、どちらかが離婚という話を持ち出さないかと、ある時は、待ち望むような気持になったり、またあるときは、冷や冷やしたりという状態が長い間続いています。
しかし、いつまでたっても、「その時」は訪れません。そこで、自分の心理や相手の心理に思いを馳せると、その心理の底には、相手への「情」としか名づけられないような感情があることを発見します。
それは、かつてはお互い愛情が合って結婚に踏み切ったわけですし、長い間一緒に生活してきた間の感情もあります。
相手の態度や性格が我慢ならないと感じることがあっても、全く見も知らぬ他人に同じような感情を抱いた時と比較すると、明らかな違いを感じます。
それを言葉にするなら、「情」ということになります。そこで、どうしても、離婚への渇望が消えないときは、この感情は、涙を呑んでなかったことにしましょう。
そして、情を振り切れるなら、あなたの離婚に関する判断は間違っていなかったという自分への証明書ともなるでしょう。
そして、もし、この情が捨てきれないものであるという風に感じたら、離婚は先延ばしにしましょう。
まとめ:離婚できない理由は“お金”と“子供”
いかがでしたか?夫婦が離婚しない理由は子供、経済力が一番多いかもしれません。
逆にこの2点がクリア出来ればすぐにでも離婚したい夫婦は潜在的に多いのではないでしょうか。
離婚を決意するに至るまではいろんな感情が渦巻くことでしょうが、やり直せる方策は本当にないのか、という検証には、どれだけでも時間をかけてほしいと思います。
やはり、万策尽きたうえでの離婚という形を心に持っていてください
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